最近、SNS(social networking service)という言葉をよく聞きます。インターネットを通して社会的ネットワークを構築するサービスのことで、LINEやTwitter、Facebookなど、SNSを使っていない人を探すのは大変なほど、私たちの身の回りにはSNSが溢れています。それはあたかも、水や空気と同じような感覚で使われているのです。

 そしてこのSNS、使い方によっては大変危険(犯罪を誘引することなど)なこともありますが、その多くは身近な人との情報交換が気軽にできるので、利用者がますます増えているのが現状です。

 このように、SNSは今後もネット社会の中では重要なツールになっていくと思われますが、その本質といいましょうか、なぜこのように増えているのか、その理由を考えてみました。

 それは、とにかく皆が平和に暮らしたい。ということではないでしょうか。

 何か、いきなりノホホンとした物言いで、あっけに取られている方も居られましょうが、真面目に私はそう考えているのです。

 振り返ってみれば、第2次大戦後、ほんのわずかな平和な時期を経て、すぐに世界は冷戦の時代を迎えました。アメリカとソビエト(ロシア)の両大国が資本主義と社会(共産)主義という国家体制を主張し合って、お互いに譲らない緊張関係が永く続いたのでした。

 その後、またほんの一時の和平があった後、今度は中東で緊張が高まり、そこに中国という新たな大国が現れ、一挙に、世界中が複雑かつ深刻な緊張状態に陥っているというのが、今の状況です。

 そして、その結果、何に付けても競争という2文字が不可欠なものになり、勝ち抜くための政治が優先され、そのための国家体制が必要となり、政治経済はもちろん、人々の暮らしも競争社会になったというわけです。

 受験戦争といわれるまでに、学生は受験に駆り出され、まるで戦場に赴くかのような訓練(受験勉強)を強いられ、1つでも上のランクの学校に進学しようと、これまた偏差値という数字に管理されながら頑張ってきたのでした。

 それが、もうそろそろそんな競争をしなくても平和で穏やかに暮らそうではないか。競争しなくてもいいように、同じような境遇の者たちだけで過ごそうではないか。というのが、SNSの本質ではないかと、私は思うのです。