ガンプラの種類は2倍以上に

 ここ10年で、バンダイが扱うプラモデルの種類はおよそ2倍になりました。ガンプラの種類は、それをしのぐ勢いで増えました。現在、ガンプラを含めたプラモデル全体で、年間180~200種類の新製品を出しています。

 発売から35年を経て、ガンプラのカテゴリーも増えました。代表的なカテゴリーを紹介しましょう。現在の主流が、1/144スケールの「HG(ハイグレード)」シリーズです。1990年頃に誕生しました。その当時、以前よりも手軽にガンプラを作れるよう工夫して開発したシリーズです。HGという名称は、ビデオテープやカセットテープといった磁気テープの高級品種に「HGシリーズ」というものがあり、そこからヒントを得ました。

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 「MG(マスターグレード)」シリーズは、スケールが1/100と大きく、内部構造まで作り込んだものです。「PG(パーフェクトグレード)」シリーズは、ガンプラの“究極”として位置付けているものです。

 「RG(リアルグレード)」シリーズは、ガンプラ発売から30周年にあたる2010年に誕生しました。1/144サイズながら、MGのように内部構造まで作りこんでいます。ガンプラ30周年を記念して商品化しました。RGをシリーズ化する予定は当初ありませんでしたが、ユーザーからの評価が想定以上に高く、シリーズ化に踏み切った次第です。

 RGはMGのような構造を持ちながら、1/144と寸法を小さくした分、高い強度を実現する必要がありました。以前の技術では実現できなかったものです。誕生から30年を経て技術が進化したからこそ可能だと考えて、RGシリーズを作りました。多数のMS(モビルスーツ)の中から、重要なものだけを選んで、RG化しています。

 「ガンダム」や「Zガンダム」といった昔からあるおなじみのMSから、比較的新しいMSもRG化しています。それは世代ごとに「マイファーストガンダム」が異なるからです。平成生まれのガンダムファンは、2000年前後に始まった「ガンダムSEED」シリーズがファーストガンダムです。同シリーズの中でとりわけ人気が高い「ストライクフリーダムガンダム」をRG化しています。