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競合企業は今、「人」を鍛えている

開発環境の変化を踏まえ、技術者の基礎力を底上げする

ケーヒンの技術者教育(前編)

  • 近岡 裕
  • 2016/08/25 19:05
  • 1/4ページ

 ケーヒンが若手技術者の教育を強化し始めた。クルマの進化が加速する中、自動車部品の技術も複雑かつ高度化。この変化に対応するには、若手技術者の技術力を引き上げなければならない。同社が技術者教育を強化する背景にあるのは、こうした危機感だ。同社の教育プログラムの構築に尽力する2人の技術系管理者に、同社の技術者教育のポイントを聞いた。その前編をお伝えする。(聞き手は近岡 裕)

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ケーヒン
1956年に創業。今年(2016年)に60周年を迎えた。2輪車と4輪車のキャブレターの量産からスタートし、1973年には CVCC(複合渦流調速燃焼) 方式エンジン向けキャブレターの開発に成功。1980年代以降はクルマの電子化の流れを捉えて、燃料噴射装置(インジェクター)とECU(電子制御装置)を、1999年にはハイブリッド車のECUを開発。2002年には小型2輪車用の燃料噴射システムを、2013年には世界トップ水準の性能の直噴エンジン用インジェクターを開発。2015年から燃料噴射システムのグローバル生産を開始した。2015年時点で2輪車用のキャブレターの累計生産台数が6億台を超えた。

──ケーヒンでは、若手技術者向けの教育プログラムを新たに立ち上げたそうですね。これまでも人材育成に取り組んできたはずです。今、技術者向けの教育プログラムを立ち上げた動機は何ですか。

 確かに、これまでも教育プログラムはありました。でも、それは配属前の新入社員に社会人としての心得やビジネスマナーを教えるような一般的な研修でした。技術系社員を対象に、技術者として必要な技術や知識を学ぶ体系的なプログラムは充実していませんでした。

 ところが、最近、実務に要する技術や知識が不足しているのではないかと思える若手技術者がやや目立つようになってきたのです。これに危機感を覚えた私たちは、開発に属する十数部門からそれぞれ技術系管理職が集まり、若手技術者を対象に技術を学ぶ教育プログラムを体系化していくことにしたのです。

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佐藤真一氏
4輪車の電子制御装置(ECU)の開発に携わった後、パワーコントロールユニット(PCU)の開発プロジェクトリーダーを務めた。現在はハイブリッドシステム設計を担当。

 若手技術者向けの教育プログラムを作ったのは、若手技術者を取り巻く現在の環境が厳しくなっているからです。まず、要求される技術の水準が高く、範囲も広がっています。「広く浅く」というのでは足りず、今は「広く深く」でなければ、とても満足のいく製品を開発することはできません。

 例えば、電子機器でいえば、かつては電子制御装置(ECU)を単体で開発して顧客に納めていました。ところが、今ではシステムを丸ごと開発する必要があります。好例は、ハイブリッド車向けのパワーコントロールユニット(PCU)。PCUには、バッテリーと電子機器との間で直流電圧を変換するDC-DCコンバーターと、直流電圧を交流電圧に変換するインバーター、モーターを制御するECUが組み込まれています。従来は担当するモーター制御用ECUを開発すればよかったのですが、現在はPCUという1つのシステムを造り込む形に領域が広がっています。技術者としての自由度は広がりますが、その分、責任範囲が広がる。温度や振動、耐久性といった顧客から求められた要件をシステムとして満たしているかどうかを、自分たちで見極めなければならないのです。

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佐藤岳氏
2000年入社。2輪車のFIの開発に携わった後、流体解析などを担当。現在は直噴インジェクターの開発を担う。

日経BP社は、日本企業の「人づくり」を応援します。
貴社の技術者や社員の教育・研修の取り組みを積極的に取り上げて、本コラムで紹介いたします。
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