前回に続き、今回もコーディネーターとして活躍するひろしま産業振興機構 経営基盤強化支援センター プロジェクトリーダーの鳥越義夫氏に、リンカーズ執行役員で大阪支店長を務める北中萌恵氏がお話を伺います。今回は、コーディネーターの実際の作業内容について伺いました。欧米企業に比べてオープンイノベーションが進まないとされる日本では、一体何が必要なのか。コーディネーターの視点を通じて探ります。

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ひろしま産業振興機構 経営基盤強化支援センター プロジェクトリーダーの鳥越義夫氏(以下撮影:森本勝義)
ひろしま産業振興機構 経営基盤強化支援センター プロジェクトリーダーの鳥越義夫氏(以下撮影:森本勝義)
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北中氏:県外のニーズというのは、どうやって集めてらっしゃるんですか?

鳥越氏:いろいろあります。もちろん、リンカーズさんからの案件もありますが、基本的には私たちが発注企業さんを訪問させていただいて、関連部門の方に話を聞くというところからスタートします。そのきっかけは、メディアに流れる企業情報であったり、場合によってはホームページを見たり、ということもあります。他のマッチング機関から入ってくる「この企業さんにこういうニーズがある」という情報や、我々で行ったアンケートや個別の聞き取りから、どんな企業さんを回るか、優先順位を決めたりしています。

 発注側の企業さんの情報は訪問して取ってくるのが原則。私たちコーディネーターは、インターネットやITを介した斡旋というよりも、“face to face”を大事にしているんです。発注側の企業さん、受注側の企業さん共、“face to face”を基本にして、その結果、企業さんの本音が聞ける、つまり現場主義といってもよいでしょうか…そういったやり方を大事にしています。