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HOME新産業異業種連携北中萌恵の関西ものづくり日記 > なぜ医療機器ニーズを見つけるのは難しいのか

北中萌恵の関西ものづくり日記

なぜ医療機器ニーズを見つけるのは難しいのか

  • 2017/04/03 05:00
  • 1/7ページ


 今、注目を集める医療機器分野。医療機器分野への新規参入や新規開発で大きな役割を担うと期待されているのが、ニーズとシーズの橋渡しに関わる人材です。
 前回に引き続き、先端医療振興財団 医療機器等事業化促進プラットフォーム事務局 専任コーディネーター クラスター推進センター 調査役の黒木俊博氏に、リンカーズ 執行役員で大阪支店長を務める北中萌恵氏がお話を伺います。第2回は、新規開発でカギとなるニーズ抽出方法や海外でのトレンドについて聞きました。

前回の記事はこちら

先端医療振興財団 医療機器等事業化促進プラットフォーム事務局 専任コーディネーター クラスター推進センター 調査役の黒木俊博氏(左)。(以下写真:大亀京助)
[画像のクリックで拡大表示]

北中氏:この業界に入るのに、1番の障壁になることは何なのでしょうか。

黒木氏:障壁は、たくさんあると思います。病院自体が外部から入りにくい空間ですし、なんて言うんでしょうね、一般消費者向けの商品と違って、なかなか情報が入ってこない。普段、企業さんも病院には自由に出入りできないですから、ニーズを抽出するのが一番難しい。

 例えば自動車業界の場合、皆自動車免許を持っていて運転できる。だから車のことが多少わかる。技術のことはわからないかもしれないけれど、乗っていてどうとかは言える。でも医師免許は、普通、持ってないですよね。オペもしたことないでしょ?だから、医師免許のない人に医療機器の開発は難しいと言う人もいます。

 僕らの中で、一番苦労しているのが、ニーズの抽出。先生方のニーズをどれだけ企業さんが汲み上げて、企業さんのシーズ技術をマージできるか、どうかです。

北中氏:今現在、病院関連のニーズ抽出はどのように行っているのですか。

黒木氏:全国でいろいろやっていますね。例えば、病院の中に入って、先生方に発表して頂いたりとか。僕たちコーディネーターが入って行って、先生のお困りごとからニーズを集めることもあるんですが、一握りの先生に聞いてみても、なかなか医療業界全体の正確なニーズ把握は難しい。同じような取り組みは全国でやっていますが、永遠の課題じゃないかと思いますね。

 先日もある地域のイベントに参加してきたのですが、全国で同じような医療現場のニーズ発表のイベントが行われています。こういったイベントは確かに中小企業の要望も高く、何故神戸でもやらないんだ、とよく言われます。

編集部:なぜやらないのですか?

黒木氏:大阪商工会議所が昔から実施しているので、同じことを神戸でやっても仕方ないかな、って思います。また、本当のニーズは、オープンな場ではなかなか出てこない側面もあると思うんです。

北中氏:オープンにやっても、そこでお医者さんは言ってくれないということですね。

黒木氏:日本の医師は、そもそも忙しい上に、臨床の成績を上げること、人の病気を治療し命を救うことが彼らの一番の使命です。イノベーションに繋がる医療機器のニーズを探すのは、企業の責任だと思うんです。先生方に一方的にニーズを出してくれ、と求めるだけでは良くないと思います。

 もちろん、そういった取り組みも大切ですよ。大阪商工会議所は「次世代医療システム産業化フォーラム」として、医師のニーズを聞き、医療機器メーカーなどに紹介するというプログラムを進めています。それは確かに意味があることです。ただ、それと同じことを隣の神戸がやっても仕方がない。

編集部:医師がいる地域は違うかもしれないけれど、ニーズはそんなに違うことはない。だぶってやる必要はないということですね。

黒木氏:そうです。次世代医療システム産業化フォーラムに、ニーズを見に行ったっていい。大学病院の先生のニーズほしいとか。それだったら、フォーラムに聞きにいけばいい。

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