日経コミュニケーション2016年8月号pp.54-61の5Gのすべて「実用化に向けた総合実証試験、2017年度実施へ検討体制を整備」を分割転載した前編です。

日本の5G(第5世代移動通信システム)を推進する5GMF(第5世代モバイル推進フォーラム)のキーパーソンが、日本を含めた世界の動向を、研究開発や標準化、ユースケース、アプリケーションといった様々な観点から解説する「5Gのすべて」。今回は、2020年の商用化に向けた重要なステップとなる「総合実証試験」について解説する。

 5G(第5世代移動通信システム)の実現に向けて、従来の4GシステムであるLTE-Advancedからの大幅な性能向上を目指し、無線通信技術やネットワーク技術の研究開発が進んでいる。5Gを想定した新たなアプリケーションやサービスに関する検討も盛んだ。

 5GMF(第5世代モバイル推進フォーラム)では、企画委員会、技術委員会、ネットワーク委員会、アプリケーション委員会の4委員会が5Gの実現に向けて詳細に議論し、5Gの姿をまとめた5GMF白書を作成・公開している。

 このうち企画委員会は5Gシステムの実用化を目指し、無線通信やネットワーク、アプリケーション、そして端末を連携させた5Gシステム総合実証試験(以下、総合実証試験)を2017年度から実施することを発案した。その具体的な進め方を検討するためのタスクフォースや推進グループなどを設置し、総合実証試験に向けた検討体制を整えてきた。