「5Gのすべて」は、日本の5G(第5世代移動通信システム)を推進する5GMF(第5世代モバイル推進フォーラム)のキーパーソンがリレー形式で執筆する全26回(予定)の連載コラムである。日本を含めた世界の動向を、研究開発や標準化、ユースケース、アプリケーションといった様々な観点から解説する。今回は5Gのユースケースや要求条件、主な技術の概要を紹介する。
第5世代移動通信システム(5G)の検討が世界中で進んでいる。2020年以降のマーケット状況や移動通信に必要な条件を考慮し、移動通信システムのさらなる高度化を目指したものだ。
ほぼ共通のユースケースと要求条件
既に複数の5G研究団体、学会、移動通信関係各社でユースケースや要求条件が検討され、数多くの白書が発表されている。5G関係者の多大なる尽力により、複数の研究団体間でほぼ共通のユースケースと要求条件が洗い出されている。
その一例として、日本の一般社団法人 電波産業会(ARIB)の2020 and Beyond Ad Hocグループが2014年に発表した白書「Mobile Communications Systems for 2020 and beyond」(URLはhttp://www.arib.or.jp/english/20bah-wp-100.pdf)から、ユースケース(図1)と要求条件(図2)の概要を述べる。