働き方改革への機運が高まっている。そんな中、エンジニアは転職に対して、労働時間や休日数などの改善をどの程度期待しているのか。日経BP社の技術系媒体が実施した「エンジニア転職意識調査」では、この点を調べるための設問を用意した。
「転職すれば『労働時間や休日数などが改善される』と思いますか」と尋ね、「はい」「いいえ」のどちらか近い方を選んでもらった。71.9%が「いいえ」と回答し、「はい」は3割弱にとどまった(図1)。全体的に、残業削減や休日増などへの期待は薄いといえる。
職種別に分析しても、どの業種でも「いいえ」が「はい」を上回る(図2)。ただしその割合には差があった。最も「いいえ」が少ないのは建築・土木系で57.8%、次いでIT系で71.3%。電子・機械系(82%)と比較すると10~25ポイント程度少ない。
建築・土木業界やIT業界は、長時間労働が問題になることが多い。建築・土木業界では、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを控えてさらに現場の負荷が高まっているとの指摘もある。「労働時間や休日数が改善されると思う」を選んだ人の回答には、転職によってこうした状況を改善したい、との思いが表れているのかもしれない。
自由意見にも、転職の動機として労働時間短縮を挙げる声が届いた。「業界自体が“ブラック”なのでやむを得ない面もあるが、転職先が典型的な“ブラック”だった。年齢的に、労働時間過多な状況は厳しくなってきている。転職で課題が解決できるなら即座に実行したい」(IT:システム・ソフトウエア企画、40代)。