高収益化支援家、弁理士 中村大介
高収益化支援家、弁理士 中村大介
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 前回は、「ガラス張りのダッシュボード」を作る英Rolls-Royce Motor Cars社の事例を基に、独自性のあるテーマについて解説しました。今回は、知財情報を使った独自性のあるテーマの評価について話しましょう。

 いきなり横道に逸れるようですが、「評価」というと、自分ではない第三者が物差しを当てはめるような語感があるので、正直に言うと使いたくありません。なぜなら、物差しが「ない」から独自性が「ある」のであって、物差しがあるというだけで、独自性がなさそうな気がしませんか? でも、それ以外に適切な言葉がないので、使わざるを得ません。

 さて、話を本題に戻します。今日は「評価」という言葉を使いますが、「テーマの創出者である技術者が自分のテーマの独自性をどのようにして上司に説明するか」という観点で説明しましょう。

 繰り返しになりますが、テーマには独自性がなければダメです。独自性の反対は「同質化」です。単なる同質化は悪。低収益を招くからです。そして、独自性はどのように評価できるか。それはズバリ、特許が取れるかです。

独自性 ≒ 特許が取れるか

 「=」ではなく「≒」にしたのには理由があります。特許を取るのはハードルが低いため、特許を取れたとしても独自性がないものがあるからです。とはいえ、独自性は特許が取れるかどうかで判断できます。そして、特許が取れるかどうかは先行技術調査によって決まります。