イントランスHRMソリューションズ 代表取締役 竹村孝宏氏
イントランスHRMソリューションズ 代表取締役 竹村孝宏氏
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 不毛な議論が続いて話が進まない。時間をかけても何も決まらない。会議に時間を取られて仕事が進まない…。「会議なんて、そもそも時間のムダ!」と感じたことはないでしょうか。

 開発会議や営業会議、企画会議、定例会議、取引先や協力業者との会議など、ビジネスシーンでは、さまざまな会議があります。会議は本来、いろいろなメンバーと一緒に仕事を進めていくために必要不可欠なもののはずです。

 優れた組織ほど、各部門に属する人材の専門性が高くなります。開発や調達、営業など、それぞれの部門に知識やスキルを持った人材がそろうことで、組織の戦力は強くなります。一方で、分業が進んだ組織ほど、部門にまたがる問題の解決が難しくなります。

 そんなときに効力を発揮するのが会議です。専門家が集まり、それぞれの専門家が知恵を出し合うことで、大きな問題の解決を図ることができるのです。すなわち、人と人が集まって何かを成し遂げようとする場合に、必要な意思決定を円滑に行うために設けられるのが会議なのです。ところが、本来の意図とは逆に、会議が効率や生産性を下げてしまっているケースもあります。

 会議の生産性を高めて有効な会議にするためには、7つのポイントがあります。

[1]目的を明確化する
 目的があいまいなまま、惰性で開催していることはないでしょうか。主催者は、会議で「何を解決しようとしているのか」を明確にする必要があります。明確な目的がなければ、単なる時間のムダです。特に定例会議と名の付く会議は要注意です。1人や2人に確認すれば事足りるような内容であれば、わざわざ会議を開かずに思い切って会議を中止してみることも考えましょう。

[2]目的に合わせたゴールを設定する
 開催する会議のゴールを具体的に決めておきましょう。ゴールを明確にしないまま会議を進めてしまうと、「よく話し合ったような気がする」という感想だけで終わることになりがちです。

 例えば、企画アイデア出し会議であれば、アイデアを20個以上出す、出したアイデアから有効なアイデアを3つに絞りこむ、絞り込んだアイデアの進め方を決定するなど、その会議のゴールをどのように置くかで、進め方が変わります。参加者がゴールを共有していないと、話の方向がズレてしまうのです。事前に共有しておくことで、必要な発言や提案に絞って議論することができます。

[3]アジェンダ(議題)と資料を一致させて事前に共有する
 目的とゴールを正しく設定できたら、主催者がアジェンダを作成します。アジェンダとは、会議の目的やゴール、スケジュールなどをまとめたものです。参加者に議論してほしいポイントと各議題の配分時間も決めておきます。

 会議で使う資料の役割は、参加者の専門知識や見解を引き出すことです。資料作成者が結論を決めてしまい、自分の考えを押し付けるものになってしまってはいけません。論点は、「良い方法は何か」というようなオープンクエスチョンにすると良いでしょう。そうすれば、自ずと解決案の選択肢も広がります。解決案の選択肢を出す場合は具体性を持たせて、議論の余地のある表現にしましょう。

 アジェンダと資料は、参加者へ事前に配布します。最低でも会議を開催する1日前には共有しておくことが必要です。参加者が資料を事前に確認しておくことで、会議中に確認する時間を短縮できます。