新しいマグカップのアイデアを考えてみよう

 では、SCAMPER法に従って、これまでにない新しいマグカップを企画するというアイデアを考えてみましょう。

S(Substitute):代える
<質問例>
他のものに置き換えてみたらどうか?
何かの代わりに使うことができるか?
他の材料で作ってみたらどうか?
<アイデア例>
食べられる材料で作ってみたら…、伸縮自在の材料で作ってみたら…。

C(Combine):結び付ける
<質問例>
何かを組み合わせることができるか?
目的を組み合せることができるか?
用途を組み合せることができるか?
<アイデア例>
複数の飲み物を同時に飲めたら…、飲み物に合わせた適温でいつでも飲めたら…。

A(Adapt):応用する
<質問例>
他に似ているものはないか?
他にどのような使い方ができるか?
過去に似たようなアイデアはあったか?
<アイデア例>
観葉植物を植えてインテリアにしている…、
アロマを入れて芳香浴をする…、キャンドルを立てる…。

M(Modify):修正する
<質問例>
大きさ、重さ、サイズを変えてみてはどうか?
デザインや色を変えてみてはどうか?
何かを付け加えたり、減らしたりすることはできるか?
<アイデア例>
とても重いマグカップ、折りたためるマグカップ

P(Put to other uses):転用する
<質問例>
そのままで他の使い道があるか?
一部を変えた場合、新しい使い道は何か?
他にどのような用途で使用できるか?
<アイデア例>
ゲームに使う…、調理器具として使う…。

E(Eliminate):取り除く
<質問例>
何かを取り除くことはできるか?
何があれば少なくとも機能するか?
何か犠牲にできることはあるか?
<アイデア例>
取っ手をなくしたら…、飲む機能をなくしてみる…。

R(Reverse/Rearrange):逆にする/並べ替える
<質問例>
順番を変えたらどうか?
逆や裏返しにしたらどうなるか?
交換したらどうか?
<アイデア例>
カップの底を主に使えないか…。

 SCAMPER法は、1人でも使えますが、何人かで集まって話し合えば、より多くのアイデアを生み出すことができます。グループで実施する場合には、ポイントが3つあります。

1、質より量
アイデアを出すときは、良いアイデアを出そうと思わずに、とにかくたくさんアイデアを出しましょう。

2、スピード重視
短時間で7つの切り口の質問に答えることが、強制的にアイデアを生み出す原動力となります。

3、否定しない
アイデアを発表する場では、周囲から否定する言葉を発言しないようにします。

 世紀の大発明や大発見も、最初の起点は個人のひらめきや思いつきです。それが周囲から共感を得て育っていくことによって、次第に客観化され標準化されていくのです。アイデア発想力は、決して生まれつきのものではありません。訓練次第で伸ばすことのできるスキルです。SCAMPER法を使えば、誰でも短時間で今までの倍以上のアイデアが出せるようになります。