「考える」ことに集中するために

[4]基本戦略方針を明確にするSTP分析
 STP分析では、商品・サービスのマーケティング戦略を次の3つに分けて分析します。

Segmentation:市場の細分化
Targeting:市場ニーズから狙う市場の決定
Positioning:競争優位性を発揮できる立ち位置の決定

 このSTP分析から、自社の商品・サービスが戦う土俵を決めることができます。土俵での立ち位置により有効な戦略が、次のように変わってきます。

「リーダー」:市場におけるトップシェアのポジション。代替マーケットが競合対象となる場合が多く、マーケット規模の維持・拡大がポイントとなる。
「チャレンジャー」:トップシェアを狙うポジション。リーダーがつくった価値や価格帯に挑戦する。
「フォロワー」:リーダーに限りなく同質化したポジション。少ない投資で利益を最大化することを目指す。
「ニッチャー」:リーダーから限りなく異質化しているポジション。差異化により、一部の消費者からの強い支持を獲得することを目指す。

[5]具体的戦略を動かすマーケティングの4P&4C
 市場を細分化して戦うべき土俵を決定すれば、その土俵で勝負する製品・サービスを開発する必要があります。4Pは、その開発から販売プロモーションまでのフレームワークです。具体的には、以下の4つを指しています。

Product :自社商品の仕様や特徴、差異化
Price:価格設定
Promotion:販売促進
Place:流通チャネル

 4Pは、新商品・新サービスを市場に出す際に必ず決定しなければならない要素です。4つの組み合せにより、商品・サービスの売れ行きが決まるといえます。

 そして、商品・サービスを供給者の視点ではなく、顧客側の視点で分析するのが4Cです。次の4つを指しています。

Customer Value:顧客が得られる価値
Customer Cost:顧客が負担するコスト
Communication:顧客とのコミュニケーション
Convenience:入手のしやすさ

 先の4Pが売る側からの論理(プロダクトアウト)であるのに対し、3Cは顧客視点(マーケットイン)で再定義したものです。議論すべき要素は変わりませんが、4Cに置き換えることで顧客目線に近づくことができます。

 以上の5つのフレームワークを知っているだけで、ビジネスにおけるほとんどの課題に対応できます。ビジネスにおけるさまざまな場面で、先人たちの知恵の詰まったフレームワークを使いこなしましょう。こうして整理・分析の効率を高め、「考える」ことにぜひ集中してください。