歴史に刻まれた飛躍の条件

 今すぐ自社のデータを公開すると言っても、企業にはさまざまな不安が付きまといます。例えば以下のような不安です。
・個人情報の観点から、取り引きに関するデータを販売してもよいのか
・ライバル企業を成長させ、自社が窮地に陥るのではないか
・どのように公開すればよいのか分からない
 他にもまだまだたくさんありそうです。

 今後、市場が整備されるまでは、販売までの具体的な検討をする必要はないのかもしれません。どのデータをどのように提供するのかについては、その時に考えればよいと思います。

 問題は、その時に十分なデータを所有しているかどうかです。データを所有していなければ、市場に参加する資格すらないのですから。市場に参加する時に備えて、今から企業内に存在する取得できるデータは全て蓄積し、整理して、必要に応じて外部に提供できる体制を整えるべきです。

 データを外部に販売するという考えは、これまでにあまりない発想です。すぐには飲み込めないかもしれません。しかし、どの時代においても、新しい考え方をいち早く取り入れ、それにチャレンジしたものだけが大きく飛躍できます。この歴史の事実を、企業の経営者は、第4次産業革命が始まろうとする今こそ学ぶ必要があるのではないでしょうか。