ものづくりのススメ

 最近、日本企業はいまだに技術軽視なのではないかと非常に気になっています。なぜ、そう感じるのか。それは、IoTに関してシステムの構築やソリューションの提供に関する発表ばかり、つまり「オーダーがあれば作れますよ」と宣言するだけで、具体的な「もの(製品)」を作ったという話が日本企業から一向に聞こえてこないからです。

 これに対し、米Google社が買収した米Nest Labs社は、ネットワーク式サーモスタットという「もの」を作っています。人工知能を搭載しており、居住者の在宅時間を自動的に学習して適切な温度調整が可能です。これにより、ホームオートメーションという世界を身近に提供し、しかも個人の生活を自動的に快適にするという価値を提供しているのです。

 B to CであれB to Bであれ、企業として「もの」を作って社会に提示するという姿勢は非常に分かりやすく、かつ魅力的です。日本企業の多くは、いつのまにか攻めのものづくりの精神を忘れ、どこからか誰かが注文してくれるという「受け身」の姿勢になっているのではないでしょうか。ここで改めて自分自身に問い直してみてください。