ますます重要になるソフトウエア

 今後はあらゆる機器に予知保全の機能が必要になります。機械学習の手法を利用し、振動や音などの情報から、明確な兆候が出る前に機器や部品の故障を予測して利用者やメーカーに知らせる機能です。機器が多くある場合、データの量や迅速性の観点から、ある程度の分析を機器自身で行う必要があります。そのためには、機器に機械学習を行うためのスペックとソフトウエア基盤が必要です。

 以上のように、個人向けの製品であっても、電気製品のハードウエアの構成は一般的なコンピューターに近づきつつあります。従って、ハードウエアは単純化、あるいはモジュール化していくと同時に配線もシンプルになっていくと思います。

 その一方で、ソフトウエアが担う役割はより一層大きくなります。制御や機械学習による分析などはソフトウエアで実施するからです。

 こうした変化に伴い、技術者にはハードウエアとソフトウエアの両方において高い水準の知識が必要となります。逆に、そうした知識を持つ技術者の価値はとても高くなることでしょう。企業にとっては、そうした人材を確保したり育成したりすることが急務となります。