日本の競争力を向上させるためには、優れたスキルを持つ人やその周辺環境のセンサーデータの収集が必要だと本連載の第1回第2回で述べました。最終回となる今回は、このデータの利活用の基盤とビジネス展開について考えます。

 収集されたデータは、技術分析、技術継承、技術イノベーションを目的に利活用されることが想定されます。それぞれの目的を実現するためには図1で示すような実装モデルの構築が必要となるでしょう。取得した膨大なデータの解析(ビックデータ解析)と解析したデータを再現するためのユーザー接点が実装上ポイントとなります。特にユーザー接点では、第2回でのベタ様な仮想現実感(VR)・拡張現実感(AR)を使って革新的なユーザーエクスペリエンス(顧客体験)の実現がサービス化する上で必要不可欠となります。

図1 技術データをサービス化するための実装モデル
図1 技術データをサービス化するための実装モデル
出所:各種資料より日本総合研究所作成
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