現実世界の情報をデジタル化してコンピューターシステムに取り込むことで、在庫管理や流通、マーケティング、生産に劇的な変化をもたらす。スマートフォンの登場、製造装置や製品自体のIoT化、ビッグデータ処理や人工知能技術の向上と相まって、今そうした動きが加速しています。

 調査会社のIHS社の推定によれば、2013年時点でインターネットにつながるモノ(IoTデバイス)の数は約158億個であり、2020年までに約530億個まで増大すると予想されています(図1)。

図1 インターネットにつながるモノの数(総務省の資料より抜粋)
図1 インターネットにつながるモノの数(総務省の資料より抜粋)
出典:IHS Technology
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 IoT機器のほとんどには複数のセンサーが搭載されます。センサーへのニーズが増大すれば、それに伴ってセンサーメーカー間の競争が激化します。その結果、センサーの低価格化が進んでいくと予想されています(図2)。

図2 センサー単価推移(総務省の資料より抜粋)
図2 センサー単価推移(総務省の資料より抜粋)
(出典:Business Intelligence「THE INTERNET OF EVERYTHING:2015」(2014年12月)
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 ワイヤレスネットワークの普及や利用者のニーズにあわせたクラウド型サービス(IaaS/PaaS/SaaS)の普及もIoTの低価格化を実現しました。ニーズの増大によって、IoT機器やIoT活用サービスの低価格化し、それがさらにニーズを増大させるという正のスパイラルが回ることで、現実世界をデジタル化する動きが、今後、いっそう加速することになるでしょう(表1)。

表1 IoT適用事例
(出典)総務省「グローバルICT産業の構造変化及び将来展望等に関する調査研究」(平成27年)
表1 IoT適用事例
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