さらにIntel社は11月7日、メディア企業Turner Sports社とプロバスケットボールNBAの試合中継でVR映像の配信を行うことで複数年契約を結んだと発表した。Intel社独自のVR映像技術「Intel True VR」を使用して制作された360度映像が、2018年2月に行われるオールスターゲームを皮切りに、世界に向けて配信開始となる。対象となるVR端末は韓国Samsung Electronics社の「Gear VR」と米Google社の「Google Daydream」で、専用アプリをGoogle PlayかOculus Storeでダウンロードして視聴する。

Intel社独自のVR映像技術「Intel True VR」の専用カメラ。レンズが10個以上も付いている(図:Intel社)
Intel社独自のVR映像技術「Intel True VR」の専用カメラ。レンズが10個以上も付いている(図:Intel社)
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NBAを週1回のペースでVR配信

 興味深いのは、NBAは2年前からVR専門企業でスポーツのVR配信で実績のある米NextVR社と契約して配信を実施してきたことだ。10月に開幕した2017~2018シーズンについても27試合で同社によるVR配信が行われている。そこにIntel社が割って入った形だ。

 実はTurner Sports社傘下の娯楽チャンネルTNTはNBAの全米放映契約を持っているが、NextVR社のVR配信はこのTNTが放映する試合が除外されていたのである。つまりIntel社が配信するのはTNT担当の試合のみなのだ。このためロサンゼルスで開催されるオールスター以降は1週間に1試合のペースでの配信になる予定だ。

 今回の契約についてNBAのグローバルメディア配信担当のジェフ・マルシロ副社長は「私たちはファンにとって最も革新的かつ没入感のある体験を可能にすることに全力を注いでいます」と語り、VR配信について試行段階にあることを明かしている。

 Intel True VRは10以上のレンズが付いた専用カメラで撮影され、そのデータ量は1時間で1TBを超える。コートサイドやゴール裏、スタンドなどに複数のカメラが設置され、ファンは様々なアングルで試合を視聴できる見込みだ。さらに将来的には、同社の360度映像技術「FreeD」を使用した自由視点映像をファンが自在に見られるサービスも予定されている。