マイクロソフトと共同プロジェクト

 さらにNFLのシーズン開幕に合わせ、9月にはランボー・フィールドと通りを挟んだ場所にはフットボールをテーマにした遊具が並ぶ公園も完成した。今後アイスリンクなどの公共施設も建設される予定で、地元の人々が集まる活動拠点になることも期待されている。

 さらに10月19日に発表されたのが、IT大手の米マイクロソフト社とパッカーズが提携し、両社で推進する「タイトルタウンテック」プロジェクトだ。これはタイトルタウン内に同プロジェクト専用の施設を作り、3つの事業を展開していくというもの。

マイクロソフト社とパッカーズが提携して推進する「タイトルタウンテック」プロジェクトのニュースリリース(図:マイクロソフト社)
マイクロソフト社とパッカーズが提携して推進する「タイトルタウンテック」プロジェクトのニュースリリース(図:マイクロソフト社)
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 1つめは「アクセラレーター」で、これはデジタル技術製品やサービスに関するスタートアップ企業などを対象に、従業員に18週間にわたって技術やビジネスの進め方についての研修を受けてもらうというもの。2つめは「ベンチャー・キャピタル・ファンド」でアクセラレーターに参加した企業に対し、投資するためのファンドだ。マイクロソフト社とパッカーズが最初の投資者となり、今後追加の投資者を募っていくとしている。

 3つめは研究所である「ラボ」。これは地元の製造業や製紙業など地盤企業の従業員を募り、地元経済の発展につながるような新しい技術開発の研究を18週間にわたって行ってもらおうというものだ。

5年間で500万ドル投資

 マイクロソフト社はシアトルなどに拠点を置く同社職員がアクセラレーターやラボにボランティアや指導者、メンターとして働ける制度「タイトルタウンテック・メンターシップ・プログラム」を起ち上げる。タイトルタウンテックは2018年秋に施設が完成予定となっており、今後5年間にわたり、両社が500万ドルを投資して展開するとしている。またファンドから収益が上がった場合は地元の産業活性化や再開発のために使用されるということである。

 ウィスコンシン大学マディソン校の調査によれば、同州内での雇用の約50%がデジタル技術に関連したものだという。一見意外な結びつきに見えるが、地元産業の動きを把握したものだといえるだろう。マーフィー社長も「経済発展は地域の未来のカギであり、マイクロソフト社はそのツールと専門知識を活用して、新しいビジネスを成長させ、既存の企業がテクノロジーを活用して大きな成功を収めることを支援してくれます」とコメントしている。

 タイトルタウン自体としても今後オフィスビルや店舗、マンション、タウンハウスなどを建設、拡大していく予定で、地元不動産企業などと計画が進行中だ。人気チームによる小都市の活性化活動に、全米の注目が集まっている。