楽天が日本で試合を独占的配信

 一方、NBAを通じてその存在感を高めようとしている日系企業も登場した。ネット通販大手の楽天だ。楽天は9月、ユニフォーム広告の契約をウォリアーズと結んだことを発表した。契約期間は3年で、契約額は非公表なものの、年間で約2000万ドルと見られている。これは今シーズンから始まったユニフォーム広告の中で最も高額な模様だ。

ゴールデンステート・ウォリアーズと楽天とのユニフォーム広告の契約締結のプレスリリース(図:NBAのサイトより)
ゴールデンステート・ウォリアーズと楽天とのユニフォーム広告の契約締結のプレスリリース(図:NBAのサイトより)
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 楽天とウォリアーズの契約はユニフォーム広告に留まっていない。発表では、チームの公式メッセージ・アプリとしてViberが採用されたことも発表されている。また、キャッシュバック・サイトのEbatesや電子書籍のKoboなどの宣伝にもウォリアーズが用いられると見られている。各種事業を含め、米国市場で楽天というブランドはなかなか浸透していないのが実状だ。今回の大型契約は、その存在感を高めたいという意志の現れだろう。

楽天はNBAの試合を日本で配信する包括的なパートナーとなった(図:NBA)
楽天はNBAの試合を日本で配信する包括的なパートナーとなった(図:NBA)
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 10月10日には、楽天がNBAの試合を日本で配信する包括的なパートナーとなる契約を結んだと発表した。楽天の動画配信サービス「Rakuten TV」で週9試合配信されている他、シーズン中にNBAの試合をインターネットを通じて視聴できる購読型サービス「NBA LEAGUE PASS」を国内の楽天会員に限定して提供する予定だという。

 さらに、Viberを使ったNBAの情報配信や楽天市場でのNBA公式グッズの販売など、幅広い展開が行われる模様だ。日本で行われた記者会見には、アダム・シルバーNBAコミッショナーも出席した。中国を訪問した後だったものの、楽天のみならずNBA側もこの日本市場向けの取り組みに力を入れていることが分かる会見だった。