ちなみにCMは、ブレイディ氏が朝起床して、歯を磨いたり食事を作るなどの毎日のルーティンの様子を同技術を使って視点を変えながら映し出すものとなっていた。
300機のドローンでロゴ作る
もう一つ、インテルが自社技術をアピールしていたのが、試合と同等かそれ以上に注目されたハーフタイムショーだった。歌手のレディー・ガガ氏がショーの冒頭、スタジアムの屋根で「ゴッド・ブレス・アメリカ」という曲を歌ったのだが、この場面でガガ氏の背後に無数の光点が現れ、青や赤に色を変えたかと思うと星条旗を形作ると演出が行われた。この演出は、インテルが仕掛けたものだったのである。 この演出は、インテルが持つ多数のドローンを自在に飛行させることができる技術「インテル・シューティング・スター・ドローン」を使用したもの。4枚の回転翼を持つドローンにはLED(発光ダイオード)ライトが装備されており、その光は40億色も変化させることができる。今回のショーの場合、300機のドローンが投入され、見事な飛行を披露した。米国向けのテレビ放送では、ハーフタイムショーの終了直後にショーの冠スポンサーであるペプシのロゴも形作ったりした。
ただし、航空管制を担当する米連邦航空局(FAA)のドローン飛行規制もあって、ライブでNRGスタジアム上空にドローンを飛ばす認可を得られなかった。ガガ氏の歌唱も合わせ、テレビで放送されたこれらのシーンは事前に録画されたものだったという。Intel Inside(インテル入ってる)――。「あなたのパソコンにはインテル製CPUが搭載されています」というCMで、部品メーカーながら消費者に対して強力なブランドを築いてきた同社。パソコンに代わってスマートフォンが技術をリードする時代に移行した今、技術力をアピールする場としてスーパーボウルを選んだのは、自然な流れなのかもしれない。