テキサス州ヒューストンのNRGスタジアムに7万807人のファンが集結した、米プロアメリカンフットボールNFLの優勝決定戦「第51回スーパーボウル」(開催は現地2月5日)。米国最大のスポーツイベントは、今年、二つの意味で歴史に残るものになった。
一つはもちろん、ニューイングランド・ペイトリオッツによる25点差の大逆転。そしてもう一つは、観客が通信で利用した「データ量」である。この日、スタジアムにおけるWi-Fiデータの転送量は11.8テラバイト(TB)に達した。昨年の第50回は10.1TBで、約17%増だった。公式Wi-Fiプロバイダーである米エキストリームネットワークス社が発表した。試合中に同時に使用したユーザー数のピークは昨年比41%増の2万7191人。総使用者数であるユニークユーザー数は3万5430人で、全観客の49%が使用したことになる。昨年は38%だったので11%増となる。観客の2人に1人がスタジアムでWi-Fiを使う時代となったといえるだろう。
ちなみに、第49回のユニークユーザー数は2万5936人、同時ユーザー数が1万7322人で、第50回がそれぞれ2万7316人と2万300人。3年連続で記録を更新し続けている。
ストリーミングビデオの通信で1.7TB
Wi-Fiで流れたデータ量は5時間以上に渡って3.5Gbps(ビット/秒)を維持し、試合前に5.2Gbps、歌手レディー・ガガ氏が出演したハーフタイムショー時に4.8Gbpsのピークを記録した。これもスーパーボウルとしては最高だ。
またフェイスブック、スナップチャット、インスタグラムとツイッターからのSNS投稿と、ストリーミングビデオの通信量は1.7TBで、全体の12%を占めたという。これは昨年比で55%増だ。スポーツ観戦時にSNSを利用する動きが一層高まっていることがわかる。
スーパーボウルで利用されたSNSのユーザー数は、第47回時にはフェイスブックが過半数を占め、インスタグラムとツイッターがほぼ同数だった。それが今回はフェイスブックが首位であることは変わらないものの、スナップチャットとインスタグラムがほぼ同数となり、ツイッターは4位に落ちた。人気SNSの変遷もこんなところに出ている。
スマホのデータ利用も記録破り
一方、携帯電話/スマートフォン(スマホ)のデータ転送量も記録破りなものとなった。DAS(Distributed Antenna Systems) と呼ばれる分散アンテナシステムを通じた総データ利用量は40TBに達した。
NFLの公式スポンサーでもある携帯電話事業者の米ベライゾン・コミュニケーションズで利用されたデータは11TBに上った。これは7TBだった昨年より57%も増えた。
最も利用が多かったのは、レディー・ガガ氏のハーフタイムショーと優勝トロフィーの授賞式だったという。利用目的だが、ビデオのアップロードと視聴、SNS、ウェブ閲覧、ファイルのアップロード、スポーツ専門アプリという順番だった。人気SNSアプリの順位は、やはりフェイスブック、インスタグラム、スナップチャットの順となっている。
別の携帯電話事業者の米AT&Tでも9.8TBに上るデータ伝送があり、昨年の5.2TBを88%も上回った。スプリントも5TBを記録している。