米プロバスケットボールのNBAが、試合のライブストリーミングを通じて新たな観戦スタイルを模索する取り組みを続けている。

 まず、2018年10月の2018-2019シーズンの開幕に合わせて導入したのが有料ストリーミングサービス「NBA League Pass(リーグパス)」の新たなパッケージだ。同サービスは元々、地元チーム以外のテレビ中継を見られるケーブルテレビや衛星放送の視聴者向けに1995年に開始され、その後インターネットのストリーミングへと発展してきた。これまではシーズン全体で全試合を視聴料249.99ドルで見られる「プレミアム」や、好きなチームの試合を119.99ドルで見られる「チームパス」、好きな1試合を6.99ドルで見られる「シングルゲーム」といった視聴パッケージが設定されていた。

NBAの有料ストリーミングサービス「NBA League Pass(リーグパス)」の画面例
NBAの有料ストリーミングサービス「NBA League Pass(リーグパス)」の画面例
(図:NBA)
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 そこに今シーズン、新たに加えられたのが、好きな試合の第4クオーター(Q)だけを1.99ドルで見られるパッケージである。これまでのように試合全体を楽しんでもらうというのではなく、試合終盤だけでもいい、というリーグとしては大きな姿勢の変化だ。実際、NBAの試合が白熱するのは勝利に向けてプレーのスピードが速くなる第4クオーターになってからが多い。そのため「NBAの試合で面白いのは第4クオーターだけ」などと揶揄(やゆ)されることもあった。まるで、そのことを認めたようでもある。