CO2からファイバーレーザーへ、進む技術革新

 レーザー加工は切断をはじめ溶接、マーキング、表面改質などさまざまな加工分野に適用できます。その中でも、微細加工に関わる切断でのレーザー加工について、進化の系譜を実務的な視点でたどると、図1のようになります。

図1 実務的な視点でのレーザー加工における進化の系譜
図1 実務的な視点でのレーザー加工における進化の系譜
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 従来、レーザーで切断加工において最も用いられてきたのはCO2レーザーです。2000年頃までのシートメタル(板金)系の受託型製造業の工場にあるレーザー加工機といえば、大半がCO2レーザーでした。

 CO2レーザーは高出力が安定的に得られる半面、材料への熱影響が大きく、これを解決する技術としてYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザーをはじめとする固体レーザーが発展してきました。しかしYAGレーザーにもさまざまな課題があります。発振効率が低く消費電力が大きいため、高い出力を得るのが困難であることから、長らくレーザー加工の世界ではCO2レーザーが主流でした。

 その後、高出力で高い集光性を得られる固体レーザーであるファイバーレーザーの開発が進み、kWクラスの高出力化が実現されてから、金属加工の世界においても2010年頃からファイバーレーザーが急速に普及しました。

 CO2レーザーと比較したときの、ファイバーレーザーの優位性は下記の3つです。