見えない⌀0.02mmのドリル

 前回紹介した通電検査用コンタクトプローブを検査治具として利用するためには、こうした微細径のプローブを差し込むための微細穴を開ける必要があります。

 例えば、図1は⌀0.02mmの微細穴を厚さ0.1mmのマシナブルセラミック〔フェローテックセラミックス(本社東京)の「ホトベールII-S」〕に0.05mmピッチで開ける、穴開け加工の事例です。こうした微細穴にコンタクトプローブを差し込んで並べることで、電子部品やICに対しての通電検査治具となります。

図1 ⌀0.02mmの微細穴加工の事例
図1 ⌀0.02mmの微細穴加工の事例
材料の厚さは0.1mm、ピッチは0.05mm。       写真:中川製作所
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 この微細穴を開けるためには、当然のことながら⌀0.02mmのドリルを使うわけですが、⌀0.02mmのドリルというのは肉眼ではほぼ見えません。従ってドリルをツーリングに取り付けるだけでもノウハウが求められますし、肉眼で見えない微細なドリルで穴開け加工を行うのは、まさに至難の業といえます。

 こうした微細な穴開け加工を専門としているのが、三重県四日市市に本社のある中川製作所(従業員40人)です。