中国で中小型ディスプレーに特化して事業を進めている3社が、ディスプレーの国際カンファレンス「Display Innovation CHINA 2016/Beijing Summit」(2016年11月1~2日、中国・北京)の初日に登壇した。Tianma Micro-electronics Group社(天馬微電子集団)、EverDisplay Optronics(Shanghai)社(EDO、上海和輝光電)、Visionox社(維信諾)系のKunshan Govisionox Optoelectronics社(GVO、昆山国顕光電)である。

 このうち、EverDisplay社とGovisionox社は有機ELパネルの専業メーカーである。Tianma社もこれまでのLTPS TFT液晶の技術を基に有機ELパネルも積極的に開発しており、3社いずれも既に量産をしている。3社が異口同音に講演で強調したのが、今後の有機EL製品の広がりへの期待だった。そして、技術的な難しさについても3社がそろって言及した。

Tianma、「中小型LTPS液晶から有機ELへ」

 Tianma Micro-electronics Group社VicePresidentのYing Dai氏は、スマートフォンから車載機器やヘッドマウントディスプレー(HMD)など、今後の中小型ディスプレイ市場に対する展望を述べ、ミドルレンジからハイエンドの市場を目指した製品で勝負していく意気込みを語った(図1)。

 上海にある同社の生産ラインはフル稼働状態であり、アモイおよび武漢にあるLTPS TFTの生産ラインも順調に立ち上がったという。今後のフレキシブル有機ELに対しては、技術的な難しさに言及しながらも、「これまで積み重ねてきた技術があり、既に獲得している幅広い顧客とともに中小型分野でのあらゆる市場に対応していく」(Ying Dai氏)と述べた。

図1 Tianma社が狙う中小型ディスプレー製品の市場
図1 Tianma社が狙う中小型ディスプレー製品の市場
Ying Dai氏の講演の様子
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