フラットパネルディスプレー(FPD)は1990年前後から本格的な量産が始まった。それ以来、FPD産業は30年間成長を続けている。その間、技術や製品の継続的な進化とともに、新たな製品や市場が生み出されてきた。一方、新規プレーヤーの参入や需給バランスの変動、さらには業界再編などの動きもあった。

 2017年のディスプレー業界のトッピクスを取り上げた前編(転換期の到来を予感させるディスプレー産業)に続き、後半では2018年のディスプレー業界を、過去30年の産業動向と2017年の状況を考慮しながら予測する。筆者の視点で、それぞれ3つのキーワードでまとめてみた。

  • 【産業】ターニングポイント、新技術の立ち上がりと従来技術の生き残り、供給過剰と再編
  • 【技術】フレキシブル有機ELの完成度、正念場の量子ドット、マイクロLEDのプロトタイプの登場
  • 【市場】8Kテレビ市場の立ち上がり、5GとIoT、空中映像の世界
  • 【中国】有機EL工場の立ち上がり、サプライチェーンの拡充、ディスプレー版“一帯一路”
図 2018年のディスプレーを予感させるさまざまな展示が年初のCESで見られた
図 2018年のディスプレーを予感させるさまざまな展示が年初のCESで見られた
左上は将来のさまざまな車載ディスプレーの可能性を示すコンセプトカー。右上は有機ELのさらなる進化を予感させるウエアラブル用フレキシブルディスプレー。左下は有機EL、折りたたみ2面ディスプレー、表裏の両面表示などが示す今後のスマホ。右下は増加する4Kプロジェクターの心臓部となるマイクロディスプレー。
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