ジン・コンサルティング 代表、生産技術コンサルタント 西村 仁氏
ジン・コンサルティング 代表、生産技術コンサルタント 西村 仁氏
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 先日、ある企業で品質管理の研修を行いました。その際に受けた質問が、大変核心を突いたものだったので紹介したいと思います。QCサークル活動(以下、QC活動)に関する質問です。

 この企業は過去には熱心にQC活動を行っていました。ところが、いつの間にかやめてしまい、それから現在に至るまで20数年が経っているそうです。その結果、「これから会社を担っていく中堅社員や若手社員が『QC7つ道具』に触れたことがないことに気付いた。これではまずい」。そう考えて、この企業は品質管理の研修を企画したとのことです。

 実は、この会社は規模も大きく、誰もが知っていると言ってよいほど知名度の高い企業です。従って、私がこの研修を依頼された時にはとても意外に感じました。

 研修後の雑談の中で、私は研修担当者からこう質問されました。「私が入社した30年前には、全社で品質管理を勉強し、QC活動にも取り組んでいました。そして、半年に1回は全社大会が開催されて活性度も高かった。しかし、今では弊社だけではなく多くの企業でQC活動が衰退しています。先生、それはなぜなのでしょうか」と。

 私自身、メーカーに在籍中にQCリーダーや推進委員を経験し、コンサルタントになってからはたくさんの企業の内情を知りました。この経験から、QC活動が衰退した原因について私なりの考えを、ここで質問の答えとして書きたいと思います。私の答えがこれからQC活動や現場改善をスタートさせたいと考えている人や、既に活動しているけれど、どうもうまく進まないと悩んでいる人の参考になればと思います。