ジン・コンサルティング 代表、生産技術コンサルタント西村 仁氏
ジン・コンサルティング 代表、生産技術コンサルタント西村 仁氏
[画像のクリックで拡大表示]

 「フライングタイガー・コペンハーゲン(Flying Tiger Copenhagen)」という店を知っていますか? 先日、私は地元である神戸市の三ノ宮センター街でこの店をのぞいてみました。ここは、デンマークのデザインが魅力のインテリア雑貨や文具をそろえた店です。とても斬新でセンスの良いデザインでありながら、小物なら数百円で購入することができます。コストパフォーマンスが良いので、いつも店内はにぎわっています。見ているだけでもワクワクする商品づくりと店舗づくりが感じられます。

 このワクワク感は、日本にも進出している世界最大の家具量販店「イケア(IKEA)」で感じる感覚と似ています。イケアもまた、リーズナブルな価格でありながら、スウェーデンのシンプルなデザインが魅力になっており、展示方法も顧客が楽しめるようなユニークな工夫がされています。

 これを品質の面から見ると、「設計品質」がとても高いことになります。既に本コラムでも触れましたが、ここで振り返っておきましょう。ものづくりでは、まず何を造るのかを考えて、考えた通りに造ります。品質は、この2つに分けられます。前者の、「考えた」ことの質を「設計品質」といいます。そして、後者の、考えた通りに「造ったもの」の質を「製造品質」と呼びます。つまり、先の2店舗のインテリア雑貨や家具は、顧客を魅了する「設計品質」が圧倒的に高いこということになります。