ジン・コンサルティング 代表、生産技術コンサルタント西村 仁氏
ジン・コンサルティング 代表、生産技術コンサルタント西村 仁氏
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 明けましておめでとうございます。私は元日には主な新聞をまとめて買うことにしています。元日の記事はどの新聞社も総力を挙げて取り組みます。普段の記事に加えて今後の未来像やその年に起こるであろうことの予想が載るので、いつもの何倍もの情報量と価値があります。それでありながら200円でお釣りがくるバーゲン価格で、さらにお買い得というわけです。広告もいつもとは違って製品PRではないものを載せる企業が多いので、広告からその企業がどのような考えでどういった製品やサービスを提供していくのかという姿勢を読むことができます。このように、元日の新聞の記事と広告から時の流れをつかむことができるのです。

 今年の各社の新聞で共通しているのは「スピードの加速」ということです。昨年は世界中で、社会も政治も一瞬にして大きく変わることが起こりました。ものづくりにおいても2007年にスマートホンが誕生して早10年。この間にIT(情報技術)のインターネットやデジタル化により情報のスピードと量は飛躍的に増え、コストは劇的に下がりました。

 これからの10年はこのスピードがさらに加速すると見られています。クルマの自動運転の実現は目前に迫り、ビックデータを活用した社会基盤の効率化が始まっています。身近なところでは、スーパーマーケットのレジにおける長蛇の列が解決する日はそう遠くないでしょう。こうした改革により、サービスを受ける側は圧倒的に「便利に」なります。半面、これらを提供する企業は同業とのし烈な競争を覚悟しなければなりません。一方で、他分野から参入を狙う企業には、大きなビジネスチャンスが待っているとも言えます。