練習不足

 最後に[5]の練習不足の対策をしましょう。プレゼン終了後、自他共に「練習不足」と感じる場合があります。では、「十分に練習した!」と思えるのは一体どのような状態のことでしょうか? 図1の通り、パワーポイント9枚が完成したとします。また、この図中には「起・承・転・結」の文字が記載されています。このパワーポイントを暗記して練習する場合、次のうちどのように進めていきますか。

①起⇒承⇒転⇒結
②転⇒結⇒起⇒承
③結⇒転⇒承⇒起

 よく①だけ練習して満足する人がいますが、実に甘い技術者です。これだけの練習で「M1グランプリ」で優勝できるお笑い芸人はいないと言われています。少なくとも、②や③などの変形フローのどれでも対応できることが「十分に練習した!」と思える状態です。

まとめ

[3]の対策は、「技術者向けのプレゼン資料は図表が主役でその図表を説明する」
[4]の対策は、「パワーポイントの最適な文字タイプと文字サイズ」
[5]の対策は、「どこまでやれば十分に練習したと言えるのか?」

 これらの手段で、声が上ずり、手が震える防止策となるのでしょうか。技術者は暗記が苦手な人が多いと思います。特に役者のようなセリフの暗記が苦手です。しかし、[3]では、万が一の緊張で頭の中が真っ白になっても、技術者が得意な図表の説明ですから、アドリブでプレゼンができると思います。

 また[4]では、レーザーポインターを持つ手が震えた場合、そのポインターの使用を即刻、諦めましょう。そこで、「スクリーンの上から3行目をご覧ください」と聴衆を案内します。大きな文字で最適な行間や幅を選択していたからこそ、レーザーポインターがなくても、口頭で指示できます。

 そして、[5]ではM1グランプリを獲得するような強い意思のお笑い芸人を見習いましょう。さあ、後は実践のみです!