比喩(ひゆ)

 第3が「比喩」です。これは、例を挙げたり図表を示したりすることです。

 専門性が高まった現在、同業者同士でも相互に理解が深まらない場合が多々あります。そのため、技術者のコミュニケーションやプレゼンテーションには図表を提示しないとなかなか相手に理解してもらえません。逆に、相手の説明を理解することも難しいものです。

 説明の内容を伝わりやすくするために、「例えば…」と、説明したいことを身の回りの事象に置き換え、ブレークダウンして解説することも重要な手段です。これが比喩となります。例えば、「安心して飲料できる水道水ですが、実はそこに含まれるカルキ(塩素)は強力な酸化剤です。従って、水分が蒸発した後の水道水は、強酸によって金属を腐食させることがあります。例えば、加湿器の場合ですが…(以下置き換えて説明)」という具合です。

では、図表とは何でしょうか? 図4がその回答です。

図4●技術者必携のQC7つ道具
[画像のクリックで拡大表示]
図4●技術者必携のQC7つ道具

 図4に示した7つの図表名を「QC7つ道具」と言います。ただ、私はこれらを1つひとつ解説する気にはなれません。なぜなら、7つのうちなんと、5つも小・中学校で習っているからです。

 ここで自己研鑽(じこけんさん)すべき課題が、以下の2つとなります。

[1]前述の図表をExcelで即座に作成できること。
[2]学校では教わらない、技術者必携の「特性要因図」(図4の5番目に示したもの)を活用すること。

次回は、学校では教わらない、企業では間違いだらけの「特性要因図」を解説します。お楽しみに。