6W2H

 第2が「6W2H」です。義務教育で教わったのが「5W1H」。それに「Whom」と「How much」が加わり、「技術者の6W2H」という道具が存在するのです(注:私の事務所(國井技術士設計事務所)の商標登録であり、コンサルテーションメニューの1つ)。早速ですが、図2を見てみましょう。これは日本で毎年3月に売り切れてしまう人気の「手動式鉛筆削り器」です。

図2●手動式鉛筆削り器(筆者設計の3次元表示)
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図2●手動式鉛筆削り器(筆者設計の3次元表示)

この手動式鉛筆削り器を見たことがない人に説明しようとします。すると、「鉛筆を丸い穴から差し込み、ハンドルを回して…」などと、その場で思いついたなんとなくの感覚で説明することになると思います。その場の思いつきによる説明ですから、反復できません。最初の説明では触れていたことを2回目の説明では忘れてしまったり、3回目の説明では新たに気付いた説明を加えたりしてしまいがちです。

 そこで登場するのが、図3に示した「技術者の6W2H」です。この中に、手動式鉛筆削り器を人に説明する場合の必要最小限の情報が含まれています。

私は顧客企業に対し、トラブルに関してお客様へ説明するときや、その逆でトラブルの説明を受けるときの漏れがないように、6W2Hをチェックリストとして活用することを義務付けています。「頑張ります」とか「一層の努力でうんぬん」とかいった、気合いや概念だけの対策報告は必要ありません。

図3●技術者の6W2H
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図3●技術者の6W2H