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鵜飼育弘のテクテク見聞録

凸版反転印刷で、有機CMOS集積回路を低電圧駆動

第78回 応用物理学会会 秋季学術講演会 報告

  • 鵜飼 育弘=Ukai Display Device Institute
  • 2017/09/28 05:00
  • 1/3ページ

1. はじめに

 凸版反転印刷法は印刷版を用いるオフセット印刷法の一種で、フォトリソグラフィー法に近い微細なパターンが形成可能な印刷方法として、プリンテッドエレクトロニクスへの応用が期待されている。山形大学、DIC、宇部興産のグループは応用物理学会の前回の学術講演会で、凸版反転印刷法と銀(Ag)ナノ粒子インクを用いた電極形成と塗布系有機半導体を用いた有機薄膜トランジスタ(OTFT)、およびそれらを集積した相補型インバーター回路について報告した。

 同グループは「第78回 応用物理学会 秋季学術講演会」(2017年9月5~8日、福岡)で、凸版反転印刷電極と塗布型有機半導体を用い、リングオシレーターとオペアンプの作製・評価、およびインクジェット印刷の場合との動的特性比較について報告した。以降では、同グループが発表した研究成果を紹介する。

2. 研究の背景と目的

 材料のインク化が可能な有機薄膜トランジスタと大面積・低コスト化が容易なプリンテッドエレクトロニクスによる、大面積・低コストの印刷型有機デバイスが注目を集めている。各研究機関から有機の相補型集積回路(CMOS集積回路)が報告され、実現が期待されている(図1)。

図1 有機相補型集積回路の実現が期待
(山形大学の資料)
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 ベルギーの研究機関であるimecは、蒸着系だが、5V以下の駆動と高速動作を実現した。東京大学は印刷系で、ソース・ドレイン電極に金(Au)を用いた有機のCMOS集積回路を発表した。しかし、20V駆動であり、低電圧とは言い難い。山形大学が2016年に発表した有機のCMOS集積回路も印刷系であり、こちらはインクジェット法で電極を作製した。ただし、素子寸法が大きく、しかも絶縁膜の成膜には印刷ではなくCVDを用いている(図2)。全印刷法による相補型集積回路の実現に向けては、まだ、様々な課題を解決する必要がある。

図2 実現に向けた課題
(山形大学の資料)
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 今回の山形大学らの研究目的は、インクジェットに比べて微細なパターンの形成が可能な凸版反転印刷電極を用いて、相補型インバーター回路を実現し、リングオシレーターとオペアンプとして駆動させることである(図3)。

図3 本研究の目的
(山形大学の資料)
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