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鵜飼育弘のテクテク見聞録

医療・健康、食の安全に貢献、バイオセンサーを開発

第78回 応用物理学会 秋季学術講演会 報告

  • 鵜飼 育弘=Ukai Display Device Institute
  • 2017/09/28 05:00
  • 1/3ページ

1. はじめに

 運動強度、アレルギー疾患、健康診断など、基準に基づいた検査に用いられるバイオセンサーには「閾値判定」が重要である。また、食品・環境検査では、閾値に基づいた客観的検査が必須である。医療における健康管理も、体組成変化の閾値に基づいている。例えば、乳酸性閾値(Lactate Threshold:LT)とは、血中乳酸濃度が急増する運動強度の閾値であり、適切な運動治療の指標とされている。この閾値情報を、オンサイトでの評価に加え、無線通信で収集・管理できる新たな小型デバイスの開発は、今後の閾値管理の在り方を大きく変貌させ得る(図1)。

図1 基準をもとにする検査項目(山形大学の資料)

 山形大学はこれまで、印刷法で作製可能な薄膜状の延長ゲート有機電界効果トランジスタ型バイオセンサーを開発してきた(図2)。有機電界効果トランジスタ(OFET)は、(1)オール印刷でデバイス作成が可能、(2)柔軟性に富むデバイスが容易、(3)低コスト、(4)センサーと情報処理を一括集積、(5)RFIDと組み合わせた情報伝送などの特徴を持つ。

図2 有機トランジスタ型バイオセンサー(山形大学の資料)

 同大は今回、このセンサーに、印刷型有機インバーター回路および台湾E Ink Holdings社の電子ペーパー(電気泳動ディスプレー)注1)を組み合わせて、乳酸濃度がある閾値より高いかどうかを判定し、判定結果をオンサイト表示することが可能なデバイスを作製した。電子ペーパーはセグメント型である(図3)。

図3 目標のインバーター型バイオセンサー(山形大学の資料)
注1)表示を電気的に書き替えられる紙のような反射型ディスプレー。メモリー効果があるため、表示を書き換えるとき以外は電力消費がない。しかも、広視野角で太陽光下での高い視認性といった特徴がある。

 研究目的の達成には、ウエアラブル化を考えて、印刷法による柔軟なセンサーおよび回路の作製と、閾値判定のための利得の大きいインバーター回路の作製が必要である。

 以降では、同大が「第78回 応用物理学会 秋季学術講演会」(2017年9月5~8日、福岡)で発表した研究成果を紹介する。

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