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HOMEものづくり産業機器/部材鵜飼育弘のテクテク見聞録 > 印刷技術を生かした高機能フィルム

鵜飼育弘のテクテク見聞録

印刷技術を生かした高機能フィルム

ファインテック ジャパン/高機能フィルム展報告

  • 鵜飼 育弘=Ukai Display Device Institute 代表
  • 2017/05/08 05:10
  • 1/3ページ

1. はじめに

 第27回ファインテック ジャパンおよび第8回高機能フィルム展が東京ビックサイトで2017年4月5~7日に開催された。その中から筆者が興味を持った講演を7回にわたって報告する。第5回目の今回は、日本を代表する印刷メーカーである大日本印刷の高機能フィルム展での最新技術を紹介する。

 ここで取り上げるのは、液晶調光フィルム、低反射フィルムおよび採光フィルムである。競合の凸版印刷の調光フィルムは高分子分散型だが、大日本印刷はゲストホストモードである。低反射フィルムは真空成膜と差異がない反射特性を印刷技術で実現した。採光フィルムはディスプレー向けではないが、エコロジー実現には欠かせない技術である。

2. 液晶調光フィルム

 大日本印刷は、液晶を使って透過する光を制御する「液晶調光フィルム」事業で米AlphaMicron社(AMI)と協業している。この液晶調光フィルムは二色性色素と液晶を用い、電圧のオン/オフによってフィルムの明暗を瞬時に切り替え、透過する光を制御する製品である。今回の協業により、多様な色が表現可能となるとともに、広い面積にも対応していく。2017年度末から販売を開始する計画である。

2.1 大日本印刷の液晶調光フィルムの特徴

 今後の利用拡大が期待される調光システムだが、現状はその方式により、「色を切り替える応答速度が遅い」「調光時の色合いがダークグレーや乳白色などに限られている」「消費電力が大きい」など、それぞれ課題がある。このような課題に対応するために、大日本印刷とAMI社は協業によって、以下の特徴を備える液晶調光フィルムを開発した。

・明暗の切り替えに必要な電圧は8~20Vと、低電圧・低消費電力を実現(図1)
・電圧を変えることで、色合いの明るさを調整することが可能
・電圧をかけた際の調光速度は1秒以下と、瞬時に色の明暗などを切り替えられるため、自動車のサンルーフや窓など、素早い切り替えが求められる用途に最適
・色素分子の種類によって、自由に色合いを設計できる
・曲面への追従性

図1 調光フィルムの動作(展示ブースで筆者が撮影)
[画像のクリックで拡大表示]

2.2 今後の展開

 液晶調光フィルム用材料であるAMI社独自の二色性色素を用いたゲスト(二色性色素)・ホスト(液晶)材料と、大日本印刷の精密コーティング技術を組み合わせ、大面積での量産製造技術を確立。2017年度末から、世界市場に向けて販売を開始する予定である。
車載用ミラーやサンバイザー、ヘルメット用バイザーのほか、広い面積が必要なサンルーフなどの自動車向けに加え、建物、住宅、オフィスなどさまざまな市場に向けて製造・販売する。2020年度に20億円の売上高を目指す。用途例を図2に示す。

図2 応用例
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