では、ビジネスモデル特許は事業競争力に寄与するのでしょうか。
例えば、競合する2つのサービスAとBがあるとします。サービスAのWebサイトは非常に使い勝手が良く、ユーザーの求める情報をすぐに提示してくれる。これに対し、サービスBは最終的にはユーザーの求める情報を提示してくれるものの、画面のユーザーインターフェース(GUI)が複雑で使いにくく、その情報にたどり着くまでにたくさんの操作を必要とします。この場合、ユーザーはどちらのサービスを選ぶでしょうか。当然ながら、サービスAが選択されると思います。
サービスAにユーザーが流れていることを察知したサービスBの事業者は、サービスAを模して使いやすいGUIを導入し、操作性を改善することでしょう。この場合に、サービスAの事業者がそのGUIや操作性について特許を取得していれば、サービスBの事業者による模倣行為を阻むことができます。
ビジネスモデル特許に限るものではないですが、これが、特許を取得する1つのメリットになります。
つまり、あるサービスに関してユーザーが利便性を感じるGUIや操作性などの機能について特許を取得する。これにより機能の模倣を防止し、自社のサービスの優位性を確定することが可能になるのです。