鮫島正洋=内田・鮫島法律事務所 代表パートナー 弁護士・弁理士
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鮫島正洋=内田・鮫島法律事務所 代表パートナー 弁護士・弁理士
 昨年(2016年)度はTBSテレビのドラマ「下町ロケット」の余波で、ものすごい数の講演依頼をいただき、本コラム執筆の中断を余儀なくされました。「下町ロケットにみる中小企業の知財戦略、事業戦略」と題する私の講演にはシーズンがあります。大半の依頼主は地方公共団体や商工会議所といった地域の公的団体であり、年度末に向けて講演などのイベントを多く企画するからです。そこで、一般的なビジネスでは閑散期とされる1月中旬から2月に講演が集中し、3月の上旬に幕が閉じます。おかげさまで、今シーズンもインフルエンザなどにかかることもなく無事に講演シーズンが終了したので、本シリーズについても再開したいと思います。

 さて、前回までにビジネスモデル特許のビジネスに対する効能について論じてきました。 ビジネスモデル特許の統計的な情報については一部紹介済みですが、2017年3月下旬に最新の統計が特許庁から発表されました(特許庁の発表ページ)。「ビジネスモデル特許は、近年急回復」との論旨を述べましたが、最新の統計によれば、2015年出願は2014年出願に比べて微減となりました。

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 「2015年は暫定値」と記載されていますが、恐らく数字の大幅な増減はないだろうと思います。また、「もっと新しい年度の出願はどうなっているのか」という声もあるかもしれません。しかし、非公開とされている出願から18カ月経過前の特許出願は、統計情報として利用できません。そのため、2015年度の出願が現在の最新のデータとなります。

 さて、それでは分野ごとにどのような傾向となっているのでしょうか。特許庁が発表した分野別の出願動向を示します。

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