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HOME新産業異業種連携日本の科学とイノベーション、再生への道筋博士しか相手にされない欧米、博士を必要としていない日本

日本の科学とイノベーション、再生への道筋

博士しか相手にされない欧米、博士を必要としていない日本

クロスカップリングでノーベル化学賞の根岸英一氏に聞く(第2回)

  • 山口 栄一=京都大学 大学院 総合生存学館(思修館) 教授
  • 2017/05/19 05:00
  • 2/4ページ
山口栄一氏
山口栄一(やまぐち・えいいち)
京都大学大学院総合生存学館(思修館)教授。1955年福岡市生まれ。専門はイノベーション理論・物性物理学。1977年東京大学理学部物理学科卒業。1979年同大学院理学系研究科物理学専攻修士修了、理学博士(東京大学)。米ノートルダム大学客員研究員、NTT基礎研究所主幹研究員、フランスIMRA Europe招聘研究員、21世紀政策研究所研究主幹、同志社大学大学院教授、英ケンブリッジ大学クレアホール客員フェローなどを経て、2014年より現職。著書多数。(写真:栗原克己)
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山口 ということは、今の日本は技術経営・イノベーション経営という観点から相当遅れているということを意味しませんか。博士を持たなくてもやっていけるということは、「まだこの世にないものをあらしめた」経験がなくてもよいということですから。

根岸 遅れていても競争できていたということでしょう。日本の会社でしっかり成果を上げた方の中には、博士はもちろんですが、修士の人もいます。

山口 日本の会社では、むしろ修士が標準ですね。若者たちは博士課程に行くと就職できないと思っていますから。私は日本がこれから国際的に一歩秀でるためには、研究者を志す若者たちが博士号を取って、「研究とは何か」という科学の本質を身に付けてから社会に出ることが大事だと思っています。

根岸 そう思いますね。しかし今の段階では、博士を取らなくても、早めに職場で切磋琢磨をする場に自分を置いた方が、まだかなりの部分で優位性が出てくると会社は判断しているんだと思います。だから博士号を持って入ってきた新米よりも、職場に長くいた自分の方が判断力も実力もあると今でも思っているんじゃないでしょうか。

欧米と中国の間で置いていかれる

山口 たぶん企業や社会が「博士を持っている人間は使えない」と思い込んでいるために、今のような状況になっているんだと思います。日本をアメリカ型ないしヨーロッパ型に変えていくにはどうすればいいんでしょうか。

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