今回は「BOM/BOP活用術」の最終回である。BOM/BOP(Bill of Materials/ Bill of Process)の見直しが必要な理由をおさらいし、BOM/BOPシステム構築の進め方について解説しておきたい。特にポイントとなるのがBOM/BOP構築ベンダーの決定タイミングと、システム導入や再構築によってどのような効果を得られるかの定量的な算定だ。

BOM/BOP構築ベンダー決定のタイミング

 表1は、BOM/BOP構築プロジェクトの各フェーズと目的、主要タスクと標準的な期間を示す。当然、プロジェクトの目的や既存システムの状態によって変化するなど、全体的な進め方にはさまざまな要因が影響する。特に重要なポイントは、システム構築ベンダーをどのタイミングで決定するかである。表1では、ベンダー選定をシステム構築の前に実施する例(パターン[1])を示した。他には、構想企画の前(パターン[2])、業務モデリングの前(パターン[3])が考えられる。

 例えば、既存のBOMシステムが、あるシステム構築ベンダーに依頼して構築されたものだとする。その拡張でBOM/BOPシステムを構築するのであれば、システム構築ベンダーに所属するコンサルタントに依頼し、構想企画や業務モデリングを進めるやり方が、手戻りは少なくなる(パターン[2])。

 また、構想企画だけを、システム構築を前提とせずにコンサルタントに依頼するやり方も考えられる(パターン[3])。中立な視点で、改革方向性や効果(投資価値)を査定してもらうのである。

 システム構築の直前にベンダー選定を行う方法(パターン[1])は、要件定義結果を元に、具体的なITソリューションの提案をしてもらえることや、精度の高いシステム構築費用見積もりを入手できるメリットがある。