中国のファミコンもどきが30周年を迎えた
中国でファミコン互換機を出し続けてきたゲーム機メーカーの小覇王が、本家であるニンテンドーファミリーコンピュータ(ファミコン)にそっくりな「30周年記念ゲーム機」を発売した。ファミコンの発売は1983年だが、小覇王のファミコン互換機が初登場したのは1987年なので、2017年で30周年ということになるわけだ。
中国では、小覇王の互換機はまだ現役で、都市部ではさすがに見かけないものの、地方都市ではいまだに販売されている。同社の最新ゲーム機「G36」は、初代ファミコンを彷彿させる外観ながら、実はAndroid搭載のスマートデバイスという、ファミコンファンのハートをわしづかみする製品だ。ファミコン世代の筆者としても欲しくてたまらなくなり、アマゾン中国で購入した。価格は499元(約8000円)。
記念版らしく、ファミコンのような製品写真に加え、幼少期を思い起こさせるモノトーンのイラストと、「1980年代生まれの人々に贈る」的なメッセージが添えられている。どうやら中国の農村部向けではなく、童心に戻りたい都市部の大人をターゲットにした製品のようだ。中国人の知人に見せびらかすと「小覇王、懐かしい! Androidなのか、欲しい!」との声を上げた。
G36の本体は、細かく見ると初代ファミコンとは違うところも多々あるし、そもそもカセットを挿そうにもスロットカバーが開かない。電源ボタンとリセットボタンの感触も異なるのだが、こだわりのない人には十分な出来であろう。
注目すべきは背面の端子類で、LAN端子、USB端子×2、HDMI端子、AVケーブル端子、Micro SDカードスロットを備えている。また本体側面にぴったり収まる2つのコントローラーが“無線”というのも面白い。コントローラーは一見ファミコンのそれのようでありながら、十字ボタンとセレクト、スタートボタンのほかに、正面に4つ、側面に4つのボタンがあり、充電用のmicro USB端子まである。