ここ最近、「ITとOTの融合」というフレーズをよく耳にする。IT(Information Technology)はもはや説明不要だろう。OTは、Operational Technology(またはOperation Technology)の略。直訳すると「運用技術」だが、端的いえば工場などの産業システムを制御するための技術全般を指す。

 工場などの知能化・スマート化を実現するには、IoT(Internet of Things)や人工知能(AI)に代表される最先端のITと、ものづくりの基礎となるOTをうまく連携させる必要がある。それを「ITとOTの融合」と表現しているのだ。

 このような流れの中で注目されているのが、産業用PC(IPC:Industrial PC)である。これまで、工場の生産ラインなどの制御を司るコントローラーとしては、特に日本ではPLC(Programmable Logic Controller)が多用されていた。しかし、生産ラインなどの現場でITの力を生かすための手段として、データ処理やネットワーク対応などの機能に長けたIPCの存在感が高まっている。

 従来、PLCを主力製品としていたオムロンも、2016年8月にIPCの新製品を発売し、IPC事業に参入した。「PLCで培った信頼性や耐環境性などのノウハウを投入した、かなりの自信作」〔同社インダストリアルオートメーションビジネス(IAB)カンパニー商品事業本部コントローラ事業部長の山本真之氏〕だという(関連記事1関連記事2)。

オムロンが2016年8月に発売したIPC。左はボックス型、右はパネル型。
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オムロンが2016年8月に発売したIPC。左はボックス型、右はパネル型。
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オムロンが2016年8月に発売したIPC。左はボックス型、右はパネル型。