中村 大介(なかむら・だいすけ) 高収益化支援家、弁理士
中村 大介(なかむら・だいすけ) 高収益化支援家、弁理士
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 年末に大河ドラマ「真田丸」がとうとう最終回を迎えました。その中では、幸村を中心とする豊臣軍が徳川軍を苦しめたとされる歴史的事実を再現。戦端が開かれてからしばらくは、豊臣軍が戦を優勢に進め家康・秀忠に迫るものの、一転して形成は不利に。最後は、逆転負けの展開が描かれていました。

 最終回で最も印象に残ったのは、幸村が家康に対峙する場面でした。銃を構えた幸村に、家康は配下の兵士を下がらせて「打つなら打て」と言わんばかりに向き合い、こんな言葉を幸村に投げかけます。

「戦で雌雄を決する世は終わった」

 この時まで数十年の間がどんな時代だったかと言うと、戦国時代の初期は、室町幕府が統治機能を持たなくなり、大名が戦争によって地域の覇権を争っていました。その後、織田信長の「天下布武」により「天下を統一する」という概念が登場しましたものの、それもやはり戦争を主体として領地の争奪戦を繰り広げていました。

 先の家康の言葉は、こうした時代の終焉を予見するものでした。事実、大阪の陣以降は安定した平和の時代、江戸時代を迎え、戦争で勝負を決める考え方はほぼなくなっていきます。

 この変化の時代に、人々の行動も大いに変わったことでしょう。豊臣軍として招集された大量の牢人が行く場を失ったのはもちろんのこと、それまで戦争をするための兵士だった武士が行政を担うことになったり、刀職人が刀ではなく包丁を作るようになったりするなど、様々な変革を迫られたに違いありません。