中山聡史=A&Mコンサルト 経営コンサルタント
中山聡史=A&Mコンサルト 経営コンサルタント
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 設計書や機能系統図、標準図と、検図に必要なさまざまなツールをこれまでに紹介してきました。検図に必要なツールの中でも非常に重要な役割を担うのが、品質不具合を未然に防止するツールである「DRBFM(Design Review Based on Failure Mode)」です。

 DRBFMは、発生する可能性のある故障内容を設計の前に検討し、対策を行うためのツールです。この対策内容が図面に反映されているかを確認する必要があります。反映されていなければ、せっかく時間をかけてDRBFMを実施しても意味がありません。つまり、対策内容が図面に反映されているのを確認するためにDRBFMを使用するというわけです。

 DRBFMについては第3回のコラムでも書きましたが、DRBFMの誕生の経緯なども含めて、再度説明します。DRBFMは今や自動車メーカーだけではなく、さまざまな業界で使用されています。DRBFMの定義は、「設計の変更点や条件・環境の変化点に着眼した心配事項の事前検討を設計者が行い、さらにデザインレビュー(DR)を通して設計者が気付いていない心配事項を洗い出す手法」です。DRBFMを実行するために、その前の準備として「変化点管理」が必要となります。この変化点を元に心配事項を検討していくことになります。

 現在の設計の進め方は流用設計が基本です。その流用された部分から「新規設計部分」や「新規組み合わせ部分」に注目し、問題点を探っていきます。では、その変化した部分である新規に設計した部分や新規に組み合わせた部分はどのように抽出するのでしょうか。検討するべきポイントは次の4つの視点です。