検討すべき4つのポイント

[1]設計の変更点
[2]条件、環境の変化点
[3]材料の変更点
[4]製造の変化点

 それぞれの視点で変化点や変更点を抽出していきます。変化点や変更点を抽出し終えたら、ようやくDRBFMの検討に入ります。まずは以下の(1)~(4)を設計者が検討します。

(1)変更に関わる心配点(故障モード)
(2)心配点の原因
(3)影響度、重要度
(4)設計での対策内容

 これらの4つを検討し終えたら、次の工程はDRです。DRでDRBFMを使用し、さらに心配点(故障モード)の深掘りを行います。DRで心配点を深堀りする理由は、設計者だけではなく、DRの参画者である企画部門や生産技術部門、購買部門など他部門の視点から変化点を考え、新たな心配点の抽出を行うためです。

 設計者だけの経験やノウハウでは、全ての心配点(故障モード)を抽出することはできません。従って、他部門からの意見抽出が非常に重要になります。新たな心配点(故障モード)の抽出が終了すれば、後は改善の方向性を検討するのみとなります。設計部門や評価部門、製造部門でそれぞれできる対策内容を検討していきます。3つの工程「変化点の抽出」「心配点(故障モード)と原因の抽出」「DRの深掘り」を全て実施して、ようやくDRBFMが完成するのです。

 設計者だけが苦労して心配点(故障モード)を抽出するのではありません。全部門が協力し、設計する前もしくは設計途中で問題点を未然に防止するための活動をする必要があるのです。最終的には、こうして完成したDRBFMを使用して検図を行っていきます。検図では、DRBFMで検討した対策案が図面に反映されているかを確認します。

 繰り返しますが、この工程をさぼっていては、せっかく時間をかけて実施したDRBFMが台無しになってしまいます。必ずDRBFMを片手に図面の検証を進めてください。