中山聡史=A&Mコンサルト 経営コンサルタント
中山聡史=A&Mコンサルト 経営コンサルタント
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 今回は前回に引き続き、DR(Design Review /設計審査)の内容を説明します。DRの準備内容と役割について説明していきます。まず、DRにおいて準備する内容は以下の通りです。

[1]DR実施計画の作成
[2]DR実施対象、目的(主眼)、内容の明確化
[3]DRメンバーの決定
[4]DR実施の時期、場所の決定
[5]チェックリストの作成
[6]DR議事録フォーマットの作成
[7]DR実施体系図

 最低限、これらの項目は決めなければなりません。この項目をざっと見てもらうだけでも、DRに必要なものが理解してもらえることでしょう。本コラムでは、このうちの[2]と[5]と[7]について詳しく説明したいと思います。今回は[2]のDR実施対象、目的(主眼)、内容の明確化を取り上げます([5]、[7]については次回に譲ります)。

 まず、「DRの実施対象」とは、DRの必要性の有無を考えるということです。なぜDRの必要性の有無を考えるのかというと、製品の開発規模によって、DRを省略する仕組みが必要だからです。開発規模が小さい場合は、途中のDRを省略し、できる限りスピーディーに進めていく必要があります。

 そこで、開発規模ごとにDRの実施の有無をあらかじめ決めておき、そのルールに従ってDRの実施を検討しましょう。ただし、設計担当者で勝手に省略することがないようにしなければなりません。

 続いて、「DRの目的(主眼)」と「内容の明確化」です。DRではさまざまな部門が参画し、課題内容と対策の方向付けを議論する必要があります。しかし、多くの企業のDRは製品説明や顧客の要求仕様の説明に終始し、課題内容と対策の方向付けに関して議論されていません。

 加えて、議論しようと思うと、非常に長い時間が必要になってしまいます。これはDRの効率化にも結び付く部分です。まずはDRの目的(主眼)と議論すべき内容を明確にしなければなりません。