検図が軽視されるワケ

 その仕掛けの1つが[1]検図です。実は検図こそ、フロントローディングを実現する上で大切な仕掛けなのです。

 ここで、新人が新しい図面を作成し、検図をしなかったケースを考えてみましょう。この場合、「顧客が要求する機能を実現できていない図面」や「加工できない構造で描かれた図面」などが出図される可能性があります。これでは製造工程で物を作れません。それでも無理やり製造して出荷してしまえば、要求した機能を満たしていないため、顧客からクレームがくることは目に見えています。

 検図の目的は、「要求性能と品質、コスト、納期を満たしている図面か否か」を検証することです。これを出図前に確認することにより、後工程で発生するかもしれない問題を未然に防ぐ。つまり、検図の目的を達成して初めて「フロントローディング」を実現できるのです。

 あなたの会社では検図が軽視されていませんか。もしそうなら、設計現場にこうした意識が薄いからだと言わざるを得ません。「フロントローディングには検図が必須」ということを肝に銘じ、検図を実施してください。検図を形だけのイベントにしてはいけません。