施策織り込み計画の策定ステップ

 だが、勝ち残るためには避けては通れない課題だ。難易度が高くても、社内外の関係者の複雑なコミュニケーションの壁を乗り越えていかなければならない。そのためには、次のステップで進めるのが定石である。

ステップ1:顧客の行動を可視化する
 最初のステップでは、顧客の行動、つまり、開発計画を明らかにする。自社がターゲットとする顧客の各車種に対し、今後5年程度先までのフルモデルチェンジやマイナーモデルチェンジのタイミングがどこになるかを把握する。その上で、モデルチェンジの量産化に向けた、製品仕様の決定や実車試験の完了のタイミングなど、顧客側の開発マイルストーン(里程標)を整理する。

ステップ2:顧客の行動とコストダウン施策をつなぐ
 続いて、ステップ1で整理した顧客の開発計画を勘案し、顧客別/車種別にコストダウンの施策を織り込むタイミングを決める。施策ごとに、顧客にとってランニングチェンジでの織り込みを許容できるか否かを確認する。それが難しい場合は、フルモデルとマイナーチェンジ、どちらのタイミングであれば織り込むことができるかを整理する。その上で、自社側で施策の実行に要するリードタイムを考慮し、顧客別/車種別に施策を織り込むタイミングを決定する。

ステップ3:自社内の行動をつなぐ
 最後に、自社のタスクについて完了のタイミングをマイルストーンとして設定する。そのために、ステップ2で決めたコストダウン施策を織り込むタイミングをインプットし、実機試験や出図、量産試作のタイミングといった自社のタスクのマイルストーンを決めていく。ここで、ポイントは、顧客の開発計画と整合させることだ。その後、設定したマイルストーンに従って各部門で必要な人材、もの、資金の各種リソースがどこで必要になるかを関連部門と擦り合わせていく。

 以上を、図のように見える化し、施策織込み計画を関連部門で共有する。

図●施策織り込み計画
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図●施策織り込み計画