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マクロとミクロで見る自動車産業進化論

日本の自動車メーカー、勝ち筋のシナリオ

第8回(最終回)

  • 鈴木裕人=アーサー・D・リトル(ジャパン) パートナー
  • 2016/04/04 00:00
  • 1/4ページ

 第7回までの連載を通じて、マクロとミクロの両方の視点から日本の自動車メーカーの強みと課題を整理してきた。最終回の今回はこれまでの考察を踏まえつつ、日本勢としてどのような勝ち筋のシナリオが描けるかを考えてみる。

ドイツ勢にいかに対抗するか

 連載前半のマクロの視点で考察したように、日本の自動車産業における最大・最強のライバルがドイツ勢であることは当面間違いない。一方、ミクロな事業・商品軸で分析すると、全体としては日本勢もドイツ勢に対して決して一方的に劣位にあるわけではない。それでは、ドイツ勢に対する優位性確保に向けて日本勢の採るべきアプローチとは何か。

 一言でいえば、コンセプト重視でトップダウン的な課題解決アプローチを好む“空中戦”のドイツ勢に対して、「現場主義でボトムアップの課題解決アプローチを好む“地上戦”の日本は、どのように競争優位を築くか」ということに尽きる。ここで言う現場主義とは語弊を恐れずに言えば、「やるべきことよりも、まずできることから考える」というアプローチである。

 現場主義のアプローチは、ブランド構築や(トップダウンでの)プラットフォーム化は苦手だが、問題が大型化・複雑化してトップダウンのアプローチでは収集がつかなくなるような時にも、急がば回れで着実に解決に近づくことができる。また、「無」から「有」を生むイノベーションは、特にハードウエアが絡む領域ではボトムアップな試行錯誤によってしか生まれない(図1)。

図1 日本とドイツのアプローチの比較
[画像のクリックで拡大表示]

 一方、ドイツのコンセプト重視のアプローチは、理性が重んじられるビジネスパートナーとしては尊重・重用されるだろう。しかし、扱う問題が複雑になるほど、またそのアプローチが原理主義的になるほど、その遂行には強制力が必要となる。その結果として、他者からみると権威主義、覇権主義と見られることも多い。

 ビジネスパートナーとして理屈の上で信頼できるというのと、仕事の関係を離れて個人として理屈抜きで好きになるのは違うというのは、ドイツ企業やドイツ人と一緒に仕事をした経験のある方であれば、理解いただけるのではないかと思う(もちろん、ドイツ人にもナイスガイはいるが)。

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