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マクロとミクロで見る自動車産業進化論

先進国リーグの中での日本の競争力

第2回

  • 鈴木裕人=アーサー・D・リトル(ジャパン) パートナー
  • 2016/02/16 00:00
  • 1/4ページ

 前回は、日本の基幹産業である自動車産業について、以下のような内容を紹介した。

・日本の自動車産業は、浮き沈みはありながらも内需主導の新興国の中長期的な成長に牽引されていく。

・一方、新興国の中で二極化が進み、マクロ経済的な観点から見た各国間の経済的な序列は固定化に向かっている。

・その中で日本の四輪車メーカーの競合相手は、今後も先進国企業であり続けるだろう。

それでも自動車は「産業の中の産業」か

 それでは、先進国リーグの中における「チーム日本」の競争優位はどこにあるか?これを見るには、各先進国の産業構造の中における自動車産業の位置付けを改めて整理する必要がある。

 まず大前提として、「自動車産業は20世紀の産業中の産業である」とはドラッガーの言葉であるが、この状況は21世紀に入り、リーマンショックを経た今でも、多くの国で変わっていない。GDP及び雇用創出の観点から見て、自動車産業は各先進国においても、いまだに一定以上の地位を占めている(図1)。

図1 各国のGDP、輸出額及び就業者人口に占める自動車関連産業(自動車製造+運輸+物流)の比率
出所:Euromonitor,ADL
[画像のクリックで拡大表示]

 中でもドイツにおいては、自動車関連産業の比率はGDPの5.5%、輸出額の16.2%を占め、GDPに占める比率が10年前に比べても増加するなど、その存在感はさらに拡大している。

 一方、同じ欧州でも周辺のイタリアやフランスとなると、かなり様相が異なる。特に10年前と比較すると、自動車産業のプレゼンスがいずれの視点でも低下傾向にあることが明確に分かる。これはよく言われるように、EU域内での経済統合と東方進出が進む中で、EU域内での競争、すなわち「ドイツ一人勝ち」のあおりを受けているのは間違いないだろう。

 また米国においても、リーマンショック後のGM社やChrysler社の破たんなどを経て、他国に比べて元々低かったGDPや輸出に占める自動車産業の比率はさらに低下傾向にある。つまり、米国における(既存の)自動車産業は、ますます相対的地位が低下している。

 翻って、日本はどうか?ドイツと比べると自動車製造業のGDP貢献度は低い。それは、自動車一強と言われながらも、製造業という範疇での産業としての裾野の広さが要因であろう。ただし、自動車産業の輸出への貢献度はドイツ以上である。むしろ今後は、人口減少に伴って自動車製造業と同レベルのGDP規模にある自動車を使用する産業(=運輸、物流)における労働力不足が本質的な課題となってくる。

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